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学生野球で見落とされがちな棘下筋の役割|使っているのに弱くなる理由と改善の考え方
学生野球の現場では、「投げ込み不足」「筋力不足」が肩のトラブル原因として語られることが多くあります。 しかし実際には、使っているはずなのに弱くなっていく筋肉が存在します。
その代表が、肩のインナーマッスルのひとつである棘下筋(きょくかきん)です。
棘下筋とは?学生野球における重要な役割
棘下筋は、肩甲骨から上腕骨についているインナーマッスルで、主な役割は
- 肩関節の安定
- 腕を外にひねる(外旋)動作
- 投球動作中の肩のブレーキ
特に野球の投球では、ボールを投げ終わった後に肩が前に引っ張られるのを抑える、非常に重要な制動役を担っています。
「使えば鍛えられる」は棘下筋には当てはまらない
多くの指導現場で誤解されているのが、
「投げていれば棘下筋は自然と鍛えられる」
という考え方です。
実際には、投球動作を繰り返すことで棘下筋は
- 過度に引き伸ばされる
- 常にブレーキをかけ続ける
- 回復が追いつかなくなる
という状態に陥りやすく、使えば使うほど出力が落ちていくケースが非常に多く見られます。
● 棘下筋は「パワー筋」ではない
棘下筋は、大きな力を出す筋肉ではありません。
本来は
- 関節の位置を感じ取る
- 適切なタイミングで働く
- 必要以上に力を出さない
といった繊細なコントロール役です。
そのため、投げ込み量だけが増えると、機能低下が起こりやすくなります。
棘下筋が弱くなると起こる連鎖反応
棘下筋がうまく働かなくなると、
- 肩が前にズレやすくなる
- 外旋が弱くなる
- 肘や前腕に負担が逃げる
といった連鎖が起こります。
結果として、
- 肩の違和感
- 肘の張り
- コントロール低下
につながることも少なくありません。
インナーマッスルを鍛える意味とは?
インナーマッスルを鍛える目的は、筋肥大やパワーアップではありません。
重要なのは、
- 正しい位置で肩を保てること
- 必要なときに自然に働くこと
- アウターマッスルが働きすぎないこと
つまり「壊れにくい投球動作の土台作り」です。
ゴムチューブを使った軽負荷・高精度のトレーニングが推奨される理由もここにあります。
改善の考え方|鍛える前に整える
棘下筋の改善で重要なのは、
- 肩甲骨の動き
- 胸郭の硬さ
- 投球後の回復
を含めた全体のバランスです。
鍼灸やコンディショニングでは、
- 過緊張した棘下筋の調整
- 肩甲骨周囲筋の協調性改善
- 投球動作に合わせた再教育
といったアプローチが可能です。
「使っているのに弱くなる」状態から抜け出すためには、 量より質、鍛える前に整えるという視点が欠かせません。
前ももが張る人の共通点
「運動するとすぐ前ももが張る」 「ストレッチしても前ももだけパンパンになる」 このような悩みを抱えている方は、学生スポーツから社会人・シニア世代まで非常に多く見られます。
前ももの張りは、単なる筋肉疲労ではなく、体の使い方のクセが関係しているケースがほとんどです。
前ももが張るのは「使いすぎ」ではなく「頼りすぎ」
前もも(大腿四頭筋)は、走る・跳ぶ・止まるといった動作で重要な役割を担います。
しかし本来、これらの動作は
- お尻(臀筋)
- もも裏(ハムストリングス)
- 体幹
と分担して行われるべきものです。
前ももが張りやすい人は、これらがうまく使えず、前ももに動作を任せすぎている状態になっています。
前ももが張る人に共通する3つの特徴
① 反り腰姿勢になっている
反り腰になると、骨盤が前に傾き、
- 腹筋が使いにくい
- お尻が働きにくい
- 前ももが常に緊張する
という状態になります。
この姿勢のまま運動をすると、前ももがブレーキ役を担い続け、張りやすくなります。
② 股関節がうまく使えていない
股関節の動きが悪いと、
- 地面を後ろに蹴れない
- 前に進む力が出ない
- 膝を伸ばす力に頼る
結果として、前もも主導の動きになります。
特に成長期の子どもや、デスクワークが多い大人は、股関節の硬さを見落としがちです。
③ 体幹が不安定で「止まれない」
体幹が弱い・使えていないと、動作の中で体を支えきれず、
- 止まる動作で前ももに力が入る
- 着地で膝が突っ張る
- 減速時に前ももがブレーキになる
という状態が起こります。
これは「腹筋が弱い」のではなく、腹筋を使うタイミングが分からないことが原因の場合も多くあります。
前ももをストレッチしても改善しない理由
前ももが張ると、多くの方が前もものストレッチを行います。
もちろん無意味ではありませんが、
- 使い方が変わらない
- 姿勢が変わらない
- 動作が同じ
状態では、張りはすぐに戻ってしまいます。
大切なのは、前ももを「休ませる体の使い方」を身につけることです。
鍼灸・コンディショニングでできるアプローチ
鍼灸治療では、
- 緊張し続けている前ももの筋緊張緩和
- 股関節・骨盤周囲のバランス調整
- 体幹が入りやすい状態づくり
といった全体を見たアプローチが可能です。
前ももが張る状態は、体からの「使い方を見直してほしい」というサインでもあります。
ストレッチだけで改善しない場合は、体の使い方・姿勢・動作を一度見直すことが、再発防止への近道になります。







