鍼灸院TrendBlog
最新研究が示す“鍼灸×神経回復” スポーツ後ケアの新常識
最近、Yahooニュースなどでも「スポーツ選手の疲労回復」や「ケガからの復帰期間」に注目が集まっています。そんな中、スポーツ科学の分野で鍼灸が運動後の回復、とくに神経機能の回復をサポートする可能性がある研究が発表され、話題になっています。
これは、これまで主に「痛みの緩和」として語られてきた鍼灸が、パフォーマンス維持や競技復帰を支える手段として再評価されつつあることを示しています。
運動後に起こる「神経の疲労」とは
スポーツ後の疲労というと、「筋肉の疲れ」や「筋肉痛」を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、近年注目されているのが神経系の疲労です。
●神経疲労が起こるとどうなる?
- 筋肉に力が入りにくくなる
- 動きがぎこちなくなる
- 反応が遅れ、ケガのリスクが高まる
特にエキセントリック運動(筋肉を伸ばしながら力を出す動作)は、筋肉だけでなく神経にも大きな負担をかけることが知られています。
電気鍼が神経機能回復を促す可能性
2025年に発表された研究では、強い負荷をかけた運動後に電気鍼(electroacupuncture)を行うことで、低下した神経機能の回復が早まる可能性が示されました。
●研究で注目されたポイント
- 運動後に低下する神経伝達機能の回復
- 筋出力の戻りが早くなる傾向
- 疲労感の軽減
この研究は、「鍼灸=痛みを取る治療」というイメージから一歩進み、回復戦略としての鍼灸の可能性を示しています。
なぜ鍼刺激が神経に作用するのか
鍼刺激は、皮膚や筋肉を通じて神経系に入力されます。この刺激が、過剰に興奮した神経を落ち着かせたり、逆に働きが鈍くなった神経を活性化させたりすると考えられています。
●鍼灸による身体の反応
- 血流改善による神経環境の回復
- 自律神経バランスの調整
- 脳・脊髄を介した反射的な調節
これらが組み合わさることで、身体が本来持つ回復力(自然治癒力)が発揮されやすくなると考えられます。
スポーツ現場で求められる「治しながら続ける」発想
多くのスポーツ選手が、「痛み止めで抑えながら続ける」経験をしています。しかし、神経疲労が残ったままでは、パフォーマンス低下や再発のリスクが高まります。
●鍼灸が選ばれる理由
- 回復を促しながらコンディションを整えられる
- 神経と筋肉の両面にアプローチできる
- 長期的な競技継続を支えられる
鍼灸は、単なる対症療法ではなく、競技人生を支えるケアとして活用され始めています。
研究知見を臨床に活かすために
八千代緑が丘の緑が丘はり灸治療院では、こうした研究動向を踏まえ、痛みだけでなく疲労・回復・身体の使い方まで含めた施術を行っています。
スポーツ後の疲労が抜けにくい方、パフォーマンスの低下を感じている方は、痛みが出る前のケアとして鍼灸を取り入れることも一つの選択肢です。
「治す」から「整える」へ。鍼灸は、これからのスポーツケアの在り方を支える存在になりつつあります。





